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  • Writer's pictureTOMO SHIKANAI

Contract Tender Deadline

MLBチームが40-Man Roster にいる選手を2019シーズンもリザーブ(保有)したい場合,2018年11月30日(本日)の午後8時(ET)までに(Major League Rule (“MLR”) (3)(h))契約を選手に対し”Tender“しなければいけません。Non-Tendered 選手はただちにフリーエージェントとなります(同)。


では,チームが契約をTenderしない理由はなんでしょうか。大きく二つに分かれます。1つは,40-man Roster のスポットを空けるため,2つ目は,Arbitration(報酬の仲裁判断) による報酬の上昇リスクを回避したい場合です。


40-man Rosterにいる選手は,言い換えればチームが自身の戦力としてリザーブする選手で,最終的に25-man Roster に載せるためには前提として40-man Rosterに登録されていなければいけません。チーム40-man Rosterに登録すること(来季の契約をTenderすること)により12月のRule 5 Draft (Major League Service Time (CBA XXI A(1)) が4年ないし5年の選手で40-man Rosterに登録されていない選手を他のチームがドラフトできる権利があります) により他のチームからドラフトされる危険も回避できます。逆に言えば,他に40-manに登録したい選手がいればそのスペースを作るため,現在登録されている選手をNon-Tenderedとして外さなければいけません。


また,Major League Service Timeが3年より多く6年に満たない選手,ないし3年には満たないが今シーズン少なくとも86日のService Timeを重ねてメジャーリーグService Timeトップ22%に入る選手(“Super Two”)には報酬を第三者による仲裁にかける権利が与えられます(CBA Art VI E)。この権利を得るまではチームに選手はリザーブされているので(他のチームとの競争がないが故に)基本的にチームの言いなりの報酬しかもらえず,事実上多くの場合Minimum Salaryとして決定された値でしかもらえません(2018のMajor League Minimum Salary は$545,000 (CBA Art VI A))。直近シーズンの成績を参考に自身と類似した過去の選手("Comparables”)との比較による主張立証が可能で,多くの選手が多額の報酬にジャンプアップします(参考)。したがって,このArbitration Rightsというのはフリーエージェントになる前段階として選手にとって非常に大きい権利なのです。最も多くの選手は実際に仲裁には行かずにそれまでにチームと合意に達して額が決定します。逆にチームとしては(今年でいえば)11月末日のこの段階で予測される値を基準に,選手にそれだけの報酬を支払うだけの価値があるかどうか検討をし,見合わない選手に対してはNon-Tenderedとする可能性があるのです。

Non-Tenderedとなった選手はフリーエージェントになるわけですから当然仲裁により予測されていた値よりも大きい額で複数年契約を締結できる可能性もあります。またTenderしなかったチームが再びその選手とマイナー契約を締結するという可能性もあります。したがってこれらの選手によりフリーエージェントマーケットがより面白く変化するという場合もあるのです(参考記事)。

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