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Writer's pictureTOMO SHIKANAI

Premier Lacrosse League

Paul Rabilを知っているだろうか。ラクロスを愛する者であれば誰もが知るスーパースターである。2019年6月そのPaul Rabilがラクロスの歴史を作り変える大プロジェクトを始める。それがPremier Lacrosse League (PLL)である。


現在アメリカには2つのプロリーグがある。Major League Lacrosse (MLL) およびNational Lacrosse League(NLL)である。MLLは2001年からの歴史を持つアウトドアラクロスリーグであり,9チームが4月から8月にかけてレギュラーシーズン14ゲームを消化する。他方,NLLは1987年からの歴史を持つインドアラクロスリーグであり,11チームが12月から4月の終わりにかけて試合を行う。


2018年MLLにおける所属選手の年収レンジはおよそ$10,000 - $25,000だという(https://bizfluent.com/info-8050756-average-salary-professional-lacrosse-player.html)。ほとんどの選手がラクロスとは別のフルタイムな仕事を持ち,金曜日に練習,週末に試合というようなスケジュールをこなす。このような中,プレイ環境の向上およびラクロスの更なる発展のため現状を打破しようと打ち出されたのがこのPLLである。


PLLの運営はPaul Rabilによりリードされるが,それを支えるのがKyle Harrison (https://en.wikipedia.org/wiki/Kyle_Harrison) やTom Schreiber(https://www.theohiomachine.com/players/tom-schreiber)などの既にサインアップしたMLLを代表するタレント選手たちとthe Raine Group, Chernin Group, CAA および Blum Capitalという充実したスポンサー陣である(https://www.uslaxmagazine.com/pro/pll/paul-rabil%E2%80%99s-premier-lacrosse-league-launches)。


PLLの何が画期的か。それは場所に根付かないリーグのシステムにある。発表されている情報によれば28人のフルタイムプレヤーをロスターに抱える6チームが14週間に渡りレギュラーシーズンを競い合うところ,どのチームもホームスタジアムを持たない。12の主要都市をツアーで周り,ポイントポイントで試合を行う。リーグが選手の練習場の確保に加えアコモデーションやトラベルを指揮るかたちをとる(同)。このようなツアー形式はゴルフやテニスなどの個人スポーツに類似するところ,チームスポーツとしてはとても画期的な試みである。というのも,スタジアムの維持管理費などチームが地域に根付くことで生じる余計な費用が省かれることでポイントポイントにおける試合の環境や雰囲気作りに最大限資本を集中させることができる。


特に注目すべきは,NBC Sportsとのパートナーアップを獲得し全試合をブロードキャストすることである。プロスポーツの最も大事な収入源であるメディアエクスポージャについて強力なサポートを得たことになる。Paul Rabil によれば,地域やチームよりもより選手個人のパーソナリティやプレーにファンのアテンションが向かう仕組みを設けるという。今後スポーツギャンブルを担うビジネスともパートナーシップを組むことに積極的だそうだ(https://www.uslaxmagazine.com/pro/pll/everything-you-need-to-know-about-the-pll-paul-rabils-bold-new-venture)。


このような画期的な試みはあらゆるスポーツの発展にとてもいい刺激を与えるに違いない。大学スポーツとのラクロスのイメージを打破するとてもいい起爆剤となるだろう。

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