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  • Writer's pictureTOMO SHIKANAI

プロベートを回避する方法?

「米国ではエステートプランニングが普通?」で述べた通り、Probateというのは、遺産を相続人に承継させるための清算手続きのことを言います。

時間においてProbateが完了するために時には1年以上かかる場合もありますし、費用において、Estate (遺産)価値の4%から10%またはそれ以上を占める費用がかかる場合もあります。

基本的に、Probateが遺産を承継する人にとって利点がある場合はありません。

では、どのような方法によりProbateを回避できるのでしょうか。以下の通り、Probateを回避する方法には3つあります。 1つ目の方法が「Trust 」(信託)です。信託に入れられた財産はProbateにかける必要がありません。Irrevocable(撤回不可能)、 revocable (いわゆるliving trust) (撤回可能)を問いません。Trustee (受託者)は、財産を、信託契約書に規定された通りに、指定されたBeneficiary(受益者)に対し分配します。 ここで重要なのが、財産の所有権を「終局的に」信託に移転させなければいけません。ここにいう「終局的に」というのは、不動産であればその登記名義をトラスト名義にするというようにタイトルを移転させることを意味します。たとえ信託契約書が作成されたとしても、タイトルを移転させなければその財産が信託に付されたとは認識されず、Probateを回避できないことになります。 2つ目の方法が「Beneficiary Designation」(受益者の指定)です。明示的に受益者が指定された個々の財産はProbateを経ることなく承継できます。このカテゴリーによる承継には、銀行口座その他の預金口座における「Payable on Death (“P.O.D.”) designation」や、株式、債権その他の金融資産の承継を指示した「Transfer on Death (“T.O.D.”)」を含みます。また生命保険や退職年金なども支払先を前もって指示できます。不動産もT.O.D. Deedを作成登記することで指定した相手にその不動産を承継させることができます。 3つ目の方法が「joint ownership」ないし「community property with the right of survivorship 」です。ある財産をあなたが(婚姻相手とは限らない)誰かとjoint ownership with the right of survivorshipとすることでProbateを回避できます。また、カリフォルニア のようにcommunity property(夫婦共有財産)を認める州においては、 「the right of survivorship」を付すことでProbateを回避して婚姻相手に財産を承継できます。

ここで注意が必要なのは、community propertyと言っても「the right of survivorship」が付されていない(登記されていない)場合にはその財産の半分についてはProbateを経る必要があるということです。もちろん生存した配偶者に認められた簡易な手続き(例えばCalifornia Probate Code Section 13500)もあるのでその利用も考えられます。 以上のような3つのNon-Probateの方法に加え言及しておく必要があるのが、遺産総額が$150,000を超えない「Small Estate」の場合には、Probateを経ることは不要です。

重要なのが、遺産総額の算出において、信託等の上記3つの方法により承継が指示された財産はカウントする必要がありません。Small Estateの場合には簡易な方法により承継手続きが行われ、裁判所の関与が不要となります。

ここで覚えておいていただきたいのが、もし遺産に不動産が含まれる場合には、たとえ総額が$150,000を超えない場合であってもそのような簡易な手続きの利用が許されないことになります。 このように、上記の方法を組み合わせて利用することで Probateを回避でき、時間およびお金を節約しながら財産の承継を行うことができるでしょう。

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