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Writer's pictureTOMO SHIKANAI

米国ではエステートプランニングが普通?

なぜ米国では皆さんエステートプランニングをするのでしょうか。 アメリカではエステートプランニングをすることは普通ですね。なぜでしょうか。この記事ではその基本的な意味についてお話をします。

一言でまとめると、エステートプランニングの目的は、「コスト」及び「時間」において効率的に、「希望する方法により希望する相手に」、財産を承継させること、です。 何もプランニングをしなかった場合にはどうなるのでしょうか。所有者が亡くなった場合にその財産は「Estate」という財団として扱われます。Estateは会社と同じように「Probate」という清算手続きをすることにより、債務を清算した上で残財産を州の法律に則って法定相続人に承継させます。 この点、日本では債務を含む全ての遺産が自動的に法定相続人に承継されていく仕組みと異なりますね。死亡した後に相続人間で遺産分割協議書を作成しそれを各機関に提出すれば良い日本とは事情が異なります。 「時間」。California probate code §12200によれば、Estateの代表者は原則1年以内にProbateを終了する必要があります。Probateは、財産の複雑さによりそれぞれですが、長いと数年かかることもありますし、基本的に裁判所が関わる手続きですので時間がかかります。相続人に財産が承継されるまでに時間が経過することによりその財産は適切に管理ないし処分できませんし、その価値を下げることになるかもしれません。 「コスト」。Probateには手続費用や弁護士費用がかかります。California probate code §10810は、Estateの額の大きさに応じた代表者の報酬を認めています。手続き費用には、ファイリング費用、財産評価に要する費用、保証金、会計士費用、弁護士費用等がかかる場合があり、これの費用は同じく財産の大きさや複雑さに応じて増大します。 大事なことですが、税金を考えなくてはいけません。プランニングをすれば回避できたであろう相続税や贈与税を課される場合もあるでしょうし、気づかずに孫に贈与すればGeneration Skipping Taxがさらにかかってくることもあります。 「希望する方法により希望する相手に」。さらに、プランニングをすることにより、あなたの希望する方法で、希望する相手に財産を承継させることができます。

Probateの手続きを回避することができれば、言い換えれば、Trust (トラスト・信託) などのNon-Probateの方法を利用することができれば、予め文書で分配について明記しておくことで、例えばまだ未成年のお子様や浪費癖が心配なお子様に承継する時期や方法をコントロールすることができるでしょう。

また例えば、承継する相手も予め決めることができます。現在の婚姻相手の再婚相手や自身の子供の結婚相手に財産を使われることも防ぐことができるでしょう。 このようにエステートプランニングをすることで、自身の財産を「コスト」および「時間」において効率的に、「希望する方法により希望する相手に」、財産を承継させることができるでしょう。 ただし、財産のサイズや種類、または希望の承継方法により、全ての方ないしご家庭がエステートプランニングが必要なわけではないでしょう。あなたが複雑または発展的なプランニングが必要なのか、それともシンプルなプランニングでいいのかはシチュエーションにより異なってくると思います。 もちろん、日本は米国とシステムが異なるのでこれとは異なるプランニンングが必要なことはいうまでもありません。 一度財産の承継について考えてみるのも良さそうです。

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